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こんにちは!
多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市など、岐阜県東濃エリアを中心に「温熱設計×デザイン」をテーマに家づくりをしている株式会社一建の山田勇輝です。
今回は、以前のブログにも関連のある、最近すごくもやもやしていることについて書きたいと思います。
近年、住宅の高性能化が進み、住宅会社の広告でも性能をアピールする言葉をよく目にするようになりました。
その中でも特に気になるのが、
「高断熱だから、エアコン1台で家中快適」
という表現です。
中には、UA値0.46程度の住宅でそう説明されているケースもあります。
もちろん、
「UA値0.46ではエアコン1台で家中を空調できない」
と言いたいわけではありません。
実際、UA値0.46でも、間取りや日射条件、空調計画によってエアコン1台で快適にできる住宅はあります。
私が気になるのは、
「UA値が低いから、エアコン1台で家中快適」という説明です。
一建では現在、UA値0.34を標準としています。
以前の標準だったUA値0.46よりも断熱性能を高めていますがそれでも私たちは、
「UA値0.34だからエアコン1台で家中快適です」
とは言い切りません。
実際に計算してみると、UA値0.34の住宅でも、エアコン1台では各部屋の負荷を処理できないことがあるからです。
今回は、UA値とエアコンの台数は本当に関係するのか。そして、エアコン1台で家中を快適にするためには何が必要なのか。少し詳しくお話しします。
UA値は「外皮平均熱貫流率」と呼ばれる数値で、単位はW/(㎡・K)です。
簡単に言えば、壁、屋根、床、窓などから、家全体でどれくらい熱が逃げやすいかを表しています。
数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高い住宅ということになります。
一建では2026年から、標準UA値を0.34としています。
UA値0.46から0.34へ変更した理由については、以前のブログで詳しく書いています。
断熱性能を高めれば、冬に室内から逃げていく熱、夏に屋外から入ってくる熱を減らすことができます。
これは快適な住宅をつくるうえで、とても重要です。
ただし、UA値だけで「エアコン1台で家中快適にできるか」までは判断できません。
UA値は家全体の外皮性能を表した数値であって、それぞれの部屋に必要な冷暖房能力を表した数値ではないからです。
例えば、家全体の暖房負荷を計算した結果、4kW必要だったとします。
そこに4kW以上の暖房能力を持ったエアコンが1台あれば、家全体の熱量だけを見れば足りています。
ではそのエアコンをLDKに設置すれば、寝室も、子ども部屋も、脱衣室も、同じように暖かくなるでしょうか。
これは全く別の話です。
例えば寝室に500Wの暖房能力が必要なのであれば、その寝室まで500W分の熱を届ける必要があります。
LDKに設置したエアコンに十分な能力が残っていても、その熱が寝室まで届かなければ、寝室の負荷を処理することはできません。
つまり、「エアコンに何kWの能力があるか」だけではなく、その能力を必要な場所まで届けられるかどうかが重要です。
ここまでの話を踏まえて、今回私が一番お伝えしたいことはシンプルです。
UA値が低くなれば、住宅から逃げる熱は少なくなり、必要な冷暖房能力も小さくできます。
ただ、それだけで「エアコン1台で家中快適」と判断することはできないということです。
一建では標準UA値を0.34としていますが、実際に個室単位で負荷計算をすると、1台のエアコンだけでは各部屋の負荷を適切に処理できないと判断する住宅もあります。
反対に、UA値0.46程度でも、間取りや日射条件、空調計画によっては、エアコン1台で快適な環境をつくることができます。
つまり、0.34と0.46のどちらならエアコン1台で成立する、という話ではありません。
断熱性能を高めることで「必要な熱量」を小さくすることはできます。
しかし、その熱を「必要な場所へ届ける」ことまでは、UA値では決まりません。
間取りが変われば、空気の動きも変わります。
ドアを閉めるかどうかでも変わります。
部屋ごとに日射条件や内部発熱も違います。
だからこそ、「UA値が低い=エアコン1台で家中快適」という単純な関係にはならないのです。
エアコン1台で快適にできる住宅があることに、もやもやしているわけではありません。
それを「UA値が低いから」という理由だけで説明してしまうことに、私は違和感があります。
一建では、家全体だけではなく、個室単位で冷暖房負荷を計算しています。
LDKには何W必要なのか。寝室には何W必要なのか。子ども部屋には何W必要なのか。
それぞれ計算します。
家全体で5kW必要だと分かっても、空調設計としてはまだ途中です。
どこに、何W必要なのか。
そこまで把握して初めて、その熱をどこでつくってどう届けるのかを考えることができます。
エアコン1台で成立させるのであれば、各部屋に必要な冷気や暖気が届くことまで確認する必要があります。
それが成立しなければ、エアコン1台にこだわる必要はありません。
条件によっては、個別エアコンや全館空調など、各部屋の負荷を確実に処理できる空調計画が必要になることもあります。
これはUA値が悪いからではありません。UA値が良くても起こります。
一建では以前から全館空調も採用していますが、「全館空調だから快適」と考えているわけではありません。
住宅の性能と各室の負荷を把握したうえで、どのような空調方法が適しているのかを考えることが大切です。
もう一つ、負荷計算をすると分かることがあります。
同じ部屋でも、冷房負荷と暖房負荷は同じではありません。
冬は主に、外皮や換気によって失われる熱を補います。
一方、夏は外から入ってくる熱だけではなく、窓からの日射、人や家電、調理などの内部発熱、湿気を処理するための負荷も考える必要があります。
実際に一建で負荷計算をすると同じLDKでも、暖房は6畳用クラスで能力が足りる。
でも冷房は14畳用クラスが必要ということもあります。
これも、UA値だけを見ていては分からない部分です。
エアコンの能力を「○畳用」ではなく冷暖房負荷から考える理由については、こちらの記事で詳しく書いています。
►エアコンは「畳数」で選ばない。負荷計算から考えるエアコンの選び方
エアコン1台で家中を快適にできる。分かりやすいですし、魅力的に感じると思います。
でも、私たちは「エアコン1台」ということ自体を住宅性能の目的にはしていません。
計算した結果1台で成立するのであれば1台でいい。成立しないのであれば無理に1台にする必要はありません。
大切なのはエアコンの台数ではなく、家の中のどこにいても、無理なく快適な温熱環境をつくれるかどうかです。
そのために、断熱性能を決める。部屋ごとの冷暖房負荷を計算する。必要な能力を把握する。その熱を必要な場所へどう届けるかを考える。
その結果として、エアコンの能力や台数、設置場所、空調方式を決めます。
UA値は、快適な住宅をつくるための大切な数字です。
ただ、UA値が低いから、家中快適になるわけではありません。
住宅の性能を把握し、負荷を計算し、その熱を必要な場所へ届けるところまで設計する。
性能の数字を良くすることが目的ではなく、その数字を、実際の暮らしの快適さに変える。
そこまで含めて、一建では温熱設計だと考えています。
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一建は東濃でマイホームをお考え中の方に
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